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フードデリバリーサービス「LINE WOW」のオープンを記念した、蜷川実花さんと森川亮LINE代表取締役社長とのランチ対談、後編です。

【ランチ対談】「撮る」ことによってパワーが回復する 蜷川実花(写真家・映画監督)×森川亮<前編>

海外で仕事をするうえでの秘訣や、海外に出たからこそわかる日本人の美点について、話に花が咲きました。

「自分、下っ端です」って状態が好きなんです

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森川: うちも海外進出していますし、蜷川さんも長く海外でもご活躍されていますが、日本国内とは違う仕事意識ってありますか?

蜷川: 海外に行くと、自分がどれだけまだ下っ端か、いかにまだ入り口あたりにいるかというのがすごくわかるんです。「まだまだだな」って。私、結構「まだまだ好き」なんですよ(笑)。

森川: 「まだまだ好き」?

蜷川: 「まだまだ」という状態に対してウキウキする性質なんです。スタッフは大変ですけどね。ちょっとこなれてきたら、すぐ次の新しいことをやりだすし、海外で勝手に決め事をして帰国するから。いつもドタバタ(笑)。

森川: トライアスロンが好きな人に似てますね。いつもギリギリまで調整したいんだ。

蜷川: 常に火事場なんです。なんの後ろ盾もなくコマを進めているようなもの。そういう「自分、下っ端です」っていう状態が好きなんです。

アジア圏で大事なのは、スピードと直感力

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森川: きっと、そういう気質が海外でのお仕事をするうえで良い方に働いているんですよ。

蜷川: とはいえアジア圏でのビジネスは大変ですよ。森川さんもそうじゃないですか?

森川: 以前、ある国へCM発表会のために行ったら、到着した日の朝、急に出演者が来れなくなったという連絡が入りまして(笑)。結局、僕ひとりで記者発表会をやりました。

蜷川: 私も、中国での撮影で、ちょっとここでは言えない度肝を抜かれるような大変なことがありました。でも、日本に比べて決定が格段に早いのはすごいなって思います。「この人がいいと言えばOK」みたいな決定権の所在が明確。最初の話と全然違ったとしても、いいものができるなら許される空気があります。

森川: たしかに、ひっくり返されるのはしょっちゅうですが、変にこだわるよりは、そのときの直感も大事だったりしますよね。

蜷川: うん、アジア圏で大事なのはスピードと直感力かな。すごく鍛えられました、私。

森川: 実はうちの会社にもそういうカルチャーがあって、よく天気に例えるんです。晴れてたと思ったら雨が降ってきた。でも落ち込んでてもしょうがないから、雨という天気を楽しもうよ、自然現象だからしょうがないと思うようにしようと。

蜷川: 私、「しょうがない」をすごくポジティブにとらえてます。屋外撮影でも、晴れが欲しかったけど雨が降っちゃったなんて、よくあること。でも、いい条件で仕事ができるなんて奇跡みたいなものでしょ。それをしょうがないねって切り替えて、ベストなものに仕上げていく。

森川: むしろプラスに働く場合もありますよね。

蜷川: もしかしたら、そういう意識を持つことが、海外でうまく仕事をする秘訣かもしれないですね。日本では、たとえば広告なんかだと「こんなの撮ろうと思ってます!」という、かっちり決められたものが最初に提案されてくるじゃないですか。でも、それにこだわりすぎると出来はそこどまりになっちゃうんですよ。

日本人の「勤勉」はとんでもない財産

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森川: 蜷川さん、オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事に就任されてますよね。日本人として世界の人に「おもてなし」をすることは、世界の人と仕事をするのにも通じる話じゃないですか。

蜷川: 海外の方とお仕事すると、つくづく日本人は特殊だって感じますね。決めごとには時間がかかるし、最初に決めたことをなかなか覆せない。でも反面、仕事の質がすごく整っていて、先手先手を打つし、信じられないくらい細やかでもある。

森川: 決定のスピードは負けちゃうし、切り替えの悪さもありますけど、犠牲になってでも相手を幸せにしようという気持ちは、日本人特有じゃないですか。これは海外の人にはできない。そこにどんな付加価値を出せるかは、こだわりたいです。

蜷川: それって、どういうビジネスになっていくんですか?

森川: ゆくゆくは農家の方が育てた野菜を、たとえば「今日採れたトマト」みたいに謳って売りたいんですよ。それだと、買う人は対価以上の「気持ち」を受け取ることができる。一般に海外では、対価が高ければいいサービスだし、安ければ悪いのが相場ですが、日本人は対価以上のものを提供できる。そこは自信を持って形にしたいです。

蜷川: 値段にかかわらず、ちゃんとやる。「勤勉」って日本だとマジメでつまんない人と思われがちだけど、世界的にみたらとんでもない財産ですよ。それに、歴史ある文化が洗練されている一方で、ポップカルチャーもガラパゴス的な美意識のなかで進歩してる。やっぱり日本ってすごいよなって、海外に行けば行くほど感じます。ほんと、自慢する部分が多いですよね。

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蜷川さんのオフィスは、壁面まで蜷川さんの色に染まっていました。

【撮影/平岩紗希、構成/稲田豊史】

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